エラボトックスの効果は?持続期間と効かない人の特徴を解説
エラボトックスの効果がどれくらい続くのか調べると、「3〜4か月」「半年」「1年」と目にする数字がまちまちで、どれを参考にすべきか悩んでしまいますよね。
実際には、どの段階の変化までを含めて持続と呼ぶかや、エラ以外の部位も含めた説明かどうかによって、期間の捉え方が大きく違ってきます。また、効果を見込めるのは咬筋(こうきん)が発達してエラが張っている人で、骨格や脂肪が原因なら変化は小さくなりがちです。
2026年8月には、ボトックスビスタがエラの張りの治療薬として国内で承認されました。今回はその内容も踏まえて、エラボトックスで得られる変化の目安や持続期間、手応えを感じにくい人の特徴、継続する際の間隔の考え方を解説していきます。
大阪・梅田でエラボトックスをご希望なら、梅田すずらんクリニックにご相談ください。
目次
エラボトックスで期待できる効果

冒頭でも触れたように、エラボトックスは咬筋の発達によるエラ張りに効果が期待できる治療です。神経から筋肉への指令を抑えることで、咬筋のボリュームを徐々に減らして顔の輪郭をすっきり見せます。
顔の大きさの印象を調べた研究でも、口の高さでの顔の横幅や、あごの横幅が、顔の見かけの大きさと強く関係していると報告されています。ただし、エラの張りには骨格や脂肪も関係するため、原因によって期待できる変化はさまざまです。
参考:J-STAGE|顔面下部のサイズ情報が顔の見かけの大きさに強く影響する
エラの張り
エラボトックスでもっとも明確な効果が確認されているのは、発達した咬筋によるエラの張りを目立ちにくくすることです。
咬筋の張りが目立つ日本人成人を対象とした国内の承認試験では、1回の投与から90日後、医師による5段階評価で2段階以上改善した人の割合は48単位群で40.9%、72単位群で39.4%でした。偽薬群では改善した人はいませんでした。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)|ボトックスビスタ注用 電子添文
海外の試験でも、72単位を1回投与した90日後に同じ基準で改善した人は51.2%で、偽薬群は2.2%でした。
ここでいう2段階以上の改善は、例えば「目立つ」張りが「軽い」張りまで下がるような変化です。基準が高いため、40%前後という数字は、残りの約6割に効果がなかったという意味ではありません。海外の試験では、受けた本人が「少なくとも少しは改善した」と答えた人が90.8%にのぼり、偽薬群の20.4%を大きく上回っていました。
噛みしめる力
エラボトックスは咬筋の働きを弱めるため、歯ぎしりや食いしばりの軽減を期待して施術を受ける人もいます。
実際、痛みや歯ぎしりの回数、噛む力が下がったとする研究はあります。ただし、そうした研究をまとめたレビュー14本を検証した2025年の報告では、14本すべてが研究の進め方の信頼性で「低い」か「非常に低い」と判定されました。確かな結論を出せる段階にはまだないというのが、この報告のまとめです。
参考:PubMed Central|Botulinum Toxin for Bruxism: An Overview
また、エラへの使用で国内承認されているのは、咬筋の張りによる見た目の改善を目的とした治療です。歯ぎしりや食いしばりの治療は承認の対象ではありません。歯や噛み合わせの問題については、歯科で相談しましょう。
エラボトックスで期待しにくい効果

エラボトックスについては、小顔以外の効果をうたう説明も見かけます。ただ、次のようなものは根拠が見当たらないか、むしろ逆のことが書かれています。
- 肩こりの改善
- 頭痛の改善
- たるみの引き上げ
- ずっと続く小顔
肩こりについては、エラへのボツリヌス注射で改善したことを示す研究は見当たりません。頭痛はむしろ、ボトックスビスタの電子添文(薬の公式な説明書)で副作用の欄に載っている症状です。
エラボトックスは筋肉のボリュームを減らす施術で、皮膚を引き上げる働きはありません。咬筋が細くなったぶん、かえってフェイスラインがたるんで見えることもあります。
効果は時間とともに薄れていくので、一度打てば細いままとはいきません。どれくらい続くかは、持続期間の章で詳しく見ていきましょう。効果を広く言う説明ほど、いったん疑ってかかって良いはずです。
エラボトックスの国内承認

2026年8月、ボトックスビスタが65歳未満の成人における咬筋膨隆の治療薬として国内で承認されました。電子添文では、左右の咬筋に3か所ずつ、合計48〜72単位を注射し、3か月以内には重ねて打たないこととされています。
エラへの使用で国内承認を受けたボツリヌス製剤は、いまのところこれだけです。
ボツリヌス注射そのものは美容医療で広く行われており、厚生労働省の資料では、継続して回答した52の医療機関・チェーンの集計だけで、2022年に部位を問わず55.7万回にのぼります。それでもPMDAの審査報告書によると、エラへのボツリヌス治療は日本を含むアジアで30年以上にわたって報告されてきた一方、国内で承認された薬はこれまでありませんでした。エラへの使用に公的な根拠が整ったのは、ごく最近です。
参考:厚生労働省|美容医療に関する現状について/独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)|ボトックスビスタ注用 審査報告書
エラボトックスの経過

エラボトックスは、注射してすぐに輪郭が細くなる治療ではありません。前述の海外の試験(72単位を1回投与)では、次のような経過が報告されています。
- 30日後(約1か月):偽薬群との差が確認された
- 90日後(約3か月):見た目の変化がもっとも大きくなった
- 180日後(約6か月):効果が引き続き認められた
30日はこの試験で最初に評価した日なので、変化の始まりはそれより早いこともありえます。医師の評価と顔の幅の測定では、いずれも90日前後がピークでした。受けた本人の評価はそれより少し遅く、120日(約4か月)ごろにピークを迎えています。
「1か月で効果がピークになる」と説明されることもありますが、この試験の結果とは合いません。結婚式や写真撮影などの予定に合わせるなら、3か月ほど前をひとつの目安にすると良いでしょう。何日目くらいから変化を感じ始めるかは、エラボトックスの効果がいつから出るかを解説した記事で詳しく紹介しています。
エラボトックスの効果の持続期間

電子添文では、効果は通常3〜4か月で消えると説明されています。ただ、これはエラに限らず、眉間や目尻のシワも含めた効能すべてに共通する説明です。
エラについては、海外でボトックス72単位を投与した試験で、改善した人がその状態をどれだけ保てたかが調べられています。何をもって続いているとみなすかで、期間の中央値は大きく変わりました。
| 何をもって「続いている」とするか | 対象になった人 | 期間(中央値) |
|---|---|---|
| はっきりした改善(2段階以上)が続く | 133人 | 176日(約6か月) |
| 中等度以下の張りを保つ | 208人 | 213日(約7か月) |
| 少しでも改善が残る | 231人 | 268日(約9か月) |
※いずれも、その基準まで改善した人のなかでの中央値です。ClinicalTrials.gov に登録された、この試験の結果データ(副次評価項目「Median Duration of Effect for MMPS Responders」)によります。
参考:ClinicalTrials.gov|NCT04073303
「3〜4か月」「半年」「1年」と説明が分かれるのは、何をもって効果が続いていると判断するかが違うためです。いちばん緩い基準でも中央値は約9か月で、1年続くと言い切れる結果は見当たりません。持続期間は製剤や投与量によっても変わります。
エラボトックスの効果がない人

エラボトックスを受けても効果を感じられない理由には、主に次の5つがあります。
- 骨格によるエラの張り
- 頬やフェイスラインの脂肪
- 効果を判断する時期の早さ
- 咬筋に合っていない投与量
- 抗体による薬の効きにくさ
このうち抗体はまれで、多くは最初の4つのどれかにあてはまります。奥歯を強く噛みしめたとき、エラの部分が盛り上がるなら、咬筋が発達しているひとつの目安です。ただし、骨格や脂肪が重なっていることもあるため、実際にエラボトックスが適しているかは医師の診察で判断します。
骨格が原因のエラ
下あごの骨の角(下顎角)が張っている人は、エラボトックスを打っても骨の形は変わらないため、輪郭の変化はあまり期待できません。
奥歯を噛みしめてもエラがあまり盛り上がらず、触ると硬い角が目立つなら、骨格による張りを疑って良いでしょう。骨格と咬筋の発達が重なっている人なら、筋肉の分は細くなっても、骨の輪郭はそのままです。エラ以外も含めた輪郭の整え方は、小顔になる方法をまとめた記事が参考になるはずです。
脂肪が原因のエラ
ボツリヌストキシンが働くのは筋肉で、皮下脂肪を減らす作用はありません。頬の下やフェイスラインに脂肪が多いと、咬筋が細くなってもその上を脂肪が覆っているので、輪郭の変化は目立ちにくいはずです。
脂肪が主な原因なら、脂肪そのものを減らす治療のほうが合っています。部位ごとの変化や回数の目安は、脂肪溶解注射の効果を解説した記事が詳しいです。
判断の時期
エラボトックスを受けてから1〜2週間で「効果がない」と判断するのは早すぎます。咬筋の働きが弱まっても、筋肉のボリュームが減って輪郭に変化があらわれるまでには時間がかかるからです。当院の施術ページでも、咬筋は筋肉が大きいため、ボリュームダウンを実感するまで1か月程度かかるとしています。
いちばん変わるのは、経過の章で触れたとおり3か月前後です。施術前に同じ角度・同じ照明で写真を撮っておけば、鏡では気づかない変化も見比べられます。
単位数の違い
咬筋の大きさに対して量が少ないと、変化が小さく出ることもあります。承認された用量は前述のとおり左右合わせて48〜72単位ですが、エラの張りの見出しで紹介した国内の承認試験では、48単位群と72単位群で改善した人の割合がほぼ同じでした。多く打つほどよく効く、という単純な話ではなさそうです。
また、単位の数字は製剤をまたいで比べられません。電子添文には、この製剤の単位はほかのボツリヌス製剤と異なり、換算もできないと書かれています。クリニックによって単位数が違っていても、数字の大小で効き目を比べず、咬筋の状態に合った量かどうかを医師に確かめてください。
抗体
電子添文には、長く繰り返し打つと中和抗体ができ、効果がみられなくなることがあると書かれています。ただ、眉間のシワや多汗症など5つの適応でボトックスを受けた2,240人をまとめた解析では、抗体が陽性に変わったのは11人(0.49%)にとどまり、実際に効かなくなったのはそのうち3人でした。エラは解析の対象に入っていないものの、まれといえる頻度です。
エラボトックスを繰り返したときの効果

エラボトックスで細くなった咬筋は、薬の作用が切れると少しずつ元の大きさへ戻っていきます。電子添文でも、この施術は対症療法で、効果を保つには繰り返す必要があるとされています。
何回受けるかに決まった答えはなく、どこまでエラの張りを抑えたいかと、効果が薄れてきたと感じる時期しだいです。量や間隔を詰めすぎたときに起こることは、エラボトックスのやりすぎを扱った記事で詳しく解説しています。
1回だけの効果
1回の施術でも、咬筋のボリュームが減ることは期待できます。国内の承認試験も、1回打って90日後の変化を評価したものです。
ただ、薬の作用が薄れるにつれて、筋肉は少しずつ元の大きさへ近づいていきます。どれくらい保てるかは持続期間の章で見たとおり人によって幅があるので、1回で定着するとは考えないほうが良いでしょう。初めてなら、まず1回受けて、自分の咬筋がどれだけ反応し、いつごろ戻ってくるかを見てから続けるか決めるのが、無理のない進め方だと思います。
次の施術までの間隔
電子添文では、3か月以内の再投与は避けることとされています。当院の施術間隔表でも、ボツリヌストキシン同士の目安は3か月です。
3か月は、次を打てるようになるまでの最短の間隔と考えてください。持続期間の章で見たとおり、改善した人のなかには半年以上変化が残った人もいました。実際の間隔は、咬筋の状態を診察したうえで医師と相談して決めましょう。
回数を重ねたときの変化
2回目を打つと、筋肉の細くなり方は深まるようです。4か月あけて2回打った人は、1回だけの人より咬筋の厚みが大きく減っていたという研究があります。
ただ同じ研究では、2回打った人で下あごの角の骨の量も減っていました。エラの骨の幅そのものは、どちらの人でも変わっていません。噛む筋肉の活動が半年後も戻りにくかったという報告もある一方、ボトックスを1年に1〜2回打った試験では、下あごや歯に問題になる変化は見られませんでした。研究ごとに使った製剤や量も違い、長い目で見た影響にはまだ結論が出ていません。
参考:PubMed Central|Repeated injections of botulinum toxin into the masseter muscle induce bony changes in human adults/PubMed|Reduction of masseter muscle prominence after treatment with onabotulinumtoxinA
打ち続けたときの考え方は、ボトックスを打ち続けるとどうなるかを扱った記事にまとめています。
エラボトックスの承認試験で報告された副作用

国内の承認試験で副作用が報告された割合は、48単位群で5.7%、72単位群で3.8%でした。主なものは次のとおりです。
- 筋疲労(各群1.9%)
- 奇異性咬筋膨隆(48単位群1.9%)
- 咀嚼障害(72単位群1.9%)
筋疲労は、噛んだときにあごの筋肉が疲れやすくなる症状です。奇異性咬筋膨隆は、注射した咬筋の一部が逆に盛り上がって見えるもので、咀嚼障害は噛みにくさのことです。
また、電子添文には、すべての効能に共通する副作用として頭痛・注射部位の痛み・まぶたの下垂なども記載されています。症状ごとの原因や対処法は、エラボトックスのデメリットを解説した記事で詳しく紹介しています。
エラボトックスの効果でよくある質問
エラボトックスは将来たるみますか?
咬筋のボリュームが減ると、その上の皮膚や組織が余って、フェイスラインがたるんで見えることがあります。海外の報告では、皮膚の弾力が落ちた年齢の高い人で起こりやすいようです。エラボトックスでたるみが出る理由と対処法は、別の記事にまとめています。
筋肉が細くなったぶん、頬がこけたように見えることもあります。「エラボトックス注射で頬がこけるの?気になる原因と対処法」も合わせて参考にしてください。
エラボトックスを打たないほうがいい人は?
電子添文では、妊娠中・妊娠の可能性がある人や授乳中の人、重症筋無力症など神経と筋肉のつなぎ目に病気がある人、成分にアレルギーを起こしたことがある人、ほかのボツリヌス製剤で治療中の人には、投与しないこととされています。承認の対象は65歳未満の成人です。
保険はききますか?
保険はきかず、自由診療になります。電子添文にも、ボトックスビスタは保険給付の対象とならないと書かれています。
男性でも効果は同じですか?
薬の働き方は男女で変わりません。咬筋の大きさには個人差があるので、筋肉の状態を見て量を決めます。エラボトックスはメンズにも人気がある理由や、男性ならではの悩みは別の記事で紹介しています。
施術後に控えることはありますか?
当院では、注入直後から化粧や洗顔など普段どおりに過ごせる一方、当日の飲酒は控え、入浴はシャワー程度にするよう案内しています。エラボトックスのダウンタイム中の過ごし方は、別の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
この記事では、エラボトックスで期待できる効果や持続期間、効かない人の特徴、繰り返し受けるときの考え方について解説しました。
- 効果が期待できるのは咬筋が原因のエラ張り
- 見た目の変化がもっとも大きいのは3か月前後
- 効果は通常3〜4か月とされ、半年以上残る人もいる
- 次の施術は3か月以上あける
エラの張りには骨格や脂肪も関わっているため、自分では施術が合っているか判断しにくいものです。効果の出方や持続期間にも個人差があり、量や次に受ける時期は人によって変わります。まずは診察で、咬筋の状態や輪郭の原因を確かめてみましょう。
大阪・梅田でエラボトックスを検討しているかたは、梅田すずらんクリニックにご相談ください。
