ほくろ

2024年4月15日更新日:2024年5月6日

ほくろが増える理由は?予防法や悪性の見分け方と治療について紹介

ホクロが増える理由

「友だちの結婚式が続いて、写真を撮る機会が増えるなぁ…」

「自分の結婚式も控えているから、思い切って顔のほくろをどうにかしたいのよねぇ…」

ずっと残る写真を撮るイベントが迫っていると、顔のほくろが気になりますよね。結婚式などの、人生のライフイベントがあるなら、なおさらです。

この記事では、ほくろが増える理由・予防法、悪性のタイプとの見分け方や治療について紹介します。

「最近、急にほくろが増えた!」なんて感じておられる方は、ぜひ参考にしてくださいね。

ほくろとは?

ほくろは、皮膚の良性腫瘍のひとつです。

医学的には「色素細胞母斑(しきそさいぼうぼはん)」や「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」と呼ばれます。

ほくろは主に、メラノサイト細胞が変性した母斑細胞という色素細胞が、塊になって増殖すると形成されます。生まれつきの先天性のほくろと、幼児期から成人にかけてできる後天性のほくろがあります。

また「単純黒子」は、母斑細胞が塊にならず集中することで、黒褐色や黒色を呈するを形成するほくろです。

母斑細胞は、表皮・真皮の両方に存在します。皮膚の深い層で母斑細胞が増殖すると、ほくろが盛り上がりやすくなるといわれています。

ほくろが増える理由は?

ホクロが増える理由

ほくろが増える理由には、以下の複数の要因が絡んでいます。

  • 紫外線の影響
  • ホルモンバランスの変化
  • 肌への刺激
  • 体質の遺伝
  • 生活習慣の乱れ
  • ターンオーバーの遅れ

それぞれ、解説します。

紫外線の影響

紫外線を浴びるとメラノサイト細胞は、メラニン色素を生成しますが、母斑細胞も細胞内にメラニン色素を持ちます。

紫外線によってメラニン色素の色が濃くなると、母斑細胞の色も濃くなり、ほくろの色が濃くなったり増えたりします。

ホルモンバランスの変化

「プロゲステロン」という女性ホルモンが多く分泌されると、メラニン色素の生成も盛んになります。

生理前・妊娠中・産後・更年期など、ホルモンバランスが変化しやすい時期にほくろが増えた場合は、プロゲステロンの影響が原因かもしれません。

肌への刺激

肌への強い刺激は、メラニン色素の生成を活性化します。

メラニン色素の増加によって、母斑細胞の色が濃くなり、母斑細胞が増殖して新たなほくろが現れたり、ほくろが大きくなったりする可能性があります。

体質の遺伝

厳密には、ほくろと遺伝の関係性は解明されていませんが、親のどちらかにほくろが多いと、その子供にもほくろができやすいようです。

また、日本人は体質的にほくろができやすいと考えられているため、幼少期から成人するまでの期間に、ほくろが増えることがあります。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れが、ほくろの増加につながることもあります。

栄養バランスの偏り・睡眠不足・ストレスは、体の新陳代謝の低下や、ホルモンバランスの乱れを引き起こしかねません。生活習慣の乱れは、肌の健康状態にも悪影響を及ぼし、ほくろが形成されるきっかけとなる可能性があるのです。

ターンオーバーの遅れ

年齢を重ねるにつれて、肌のターンオーバーの期間が長くなります。ターンオーバーが遅くなると、表皮のメラニン色素やメラノサイト細胞といった色素細胞の排出が遅れます。

ターンオーバーで垢として剥がれ落ちるはずの角質が、表皮の上層に堆積すると、皮膚が固くなり、ほくろが増えやすくなるのです。

ほくろが悪性の場合がある?受診の目安は?

ホクロが増える理由

ほくろは基本的には、良性腫瘍です。

しかし、ほくろに似た以下のような疾患には、注意が必要です。

  • メラノーマ(悪性黒色腫)
  • 基底細胞がん
  • 先天性色素性母斑

順番に、特徴を解説します。

メラノーマ(悪性黒色腫)

メラノーマは、悪性の皮膚がんで「悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)」とも呼ばれます。皮膚のメラノサイト細胞が、がん化して腫瘍となったものです。

メラノーマは、足の裏・手のひら・手指・爪の周り・手足のつけ根にできやすい腫瘍で、以下のような5つの特徴があります。

  • A:Asymmetry(左右非対称の形をしている)
  • B:Border(腫瘍の輪郭がギザギザあるいは不明瞭)
  • C:Color(腫瘍の色にムラがある)
  • D:Diameter(直径が6mm以上のサイズ)
  • E:Evolving(サイズが大きくなったり形が変化したりする)

直近1~2年の間に、ほくろのサイズが大きくなったり、色・形状・硬さに変化が見られたりする場合は、早めに皮膚科を受診してください。

基底細胞がん

基底細胞がんは、40歳以降、さらには高齢者によく見られる皮膚がんです。顔にできやすいため、紫外線との関連が考えられています。また、ケガの跡・火傷の跡・放射線治療によって変性した皮膚に発症しやすいがんです。

基底細胞がんには、以下のような特徴があります。

  • がん化の初期は黒色でほくろに似ている
  • 少し盛り上がりのある1~2mmの病変が複数できる
  • ほくろよりも表面にツヤがある
  • 進行とともに複数の黒点が集まってサイズが大きくなる
  • 形が変形したり中央部が凹んだりして潰瘍化し出血することもある

基底細胞がんはメラノーマとは違い、全身に転移する確率は低いとされていますが、疑わしい場合は皮膚科を受診しましょう。

先天性色素性母斑

生まれつきある「先天性色素母斑」は、良性の皮膚腫瘍です。

しかし、通常のほくろよりも、メラノーマ(悪性黒色腫)になる確率が高いことがわかっています。

特に、大きな先天性色素斑はメラノーマになりやすいため、形状に違和感を感じた場合は、早めに受診しましょう。

急に増えたほくろが悪性化することはある?

ホクロが増える理由

ほくろは、さまざまな原因で増えることがありますが、悪性化することは稀だとされています。

メラノーマや基底細胞がんは、初期の皮膚の状態がほくろと似ているため、良性だと思っていたら悪性の診断がついて、ほくろが悪性化したと感じる可能性があります。

しかし、一般的にはメラノーマも基底細胞がんも発症時から悪性腫瘍であり、良性のほくろが悪性化したわけではありません。

急にほくろが増えると気になりますが、皮膚の状態をよく観察し、必要であれば皮膚科を受診するようにしましょう。

ほくろが増えるのを予防するために

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ほくろが増えるのを予防するために、日常生活で心がけるとよい、4つの方法があります。

  • 紫外線から肌を保護する
  • 生活習慣を整える
  • 皮膚への強い刺激を避ける
  • メラニン色素の生成を抑制するスキンケア用品を選ぶ

それぞれお伝えします。

紫外線から肌を保護する

ほくろが増えるのを予防するために、日常生活で心がけるとよい1つ目の方法は「紫外線から肌を保護する」ことです。

肌を紫外線から守るため、紫外線対策を講じましょう。

日焼け止めクリームは、外出前だけでなく出かけた先でも、こまめに2~3時間毎に塗り直す必要があります。スプレータイプなど、メイクの上からでもUVケアが可能なアイテムがおすすめです。

日焼け止めクリームと併用して、日傘・帽子・サングラス・UVカットの上着を使用すると効果的です。

また、屋内にいるときに、日当たりのよい場所で過ごす場合には、日焼け止めクリームを塗るようにしましょう。紫外線は窓ガラスを透過し、明るい色の床や壁で反射します。室内でも、日当たりのよい部屋では注意が必要です。

生活習慣を整える

ほくろが増えるのを予防するために、日常生活で心がけるとよい2つ目の方法は「生活習慣を整える」ことです。

食事で栄養をバランスよく摂ると、抗酸化作用のあるビタミンC・ビタミンEや、肌のターンオーバーを整えるビタミンB6を摂取できます。

また、健康的な肌には、睡眠が欠かせません。就寝中に分泌される成長ホルモンは、肌のコンディションを整える働きがあるため、夜更かしは避けましょう。

ストレスも、肌のターンオーバーの乱れを起こすため、ほくろの増加につながりかねません。軽い運動・ストレッチ・リラクゼーションなどで、ストレスを溜め込まないように心がけるのがおすすめです。

皮膚への強い刺激を避ける

ほくろが増えるのを予防するために、日常生活で心がけるとよい3つ目の方法は「皮膚への強い刺激を避ける」ことです。

皮膚に摩擦を与えたり、力を加えて圧迫したりすると、肌への刺激となり、メラニン色素が過剰に生成されます。ほくろが、形成されやすい状態になるのです。

メイク・クレンジング・洗顔・スキンケアを、今一度見直してみましょう。

チップのスポンジが薄くなったら交換し、肌に硬いものが触れないように気をつけます。顔をゴシゴシと洗顔し、ガシガシとタオルで拭くのはNGです。肌への摩擦を、なるべく控えるように心がけましょう。

メラニン色素の生成を抑制するスキンケア用品を選ぶ

ほくろが増えるのを予防するために、日常生活で心がけるとよい4つ目の方法は「メラニン色素の生成を抑制するスキンケア用品を選ぶ」ことです。

「ビタミンC誘導体」「コウジ酸」「アルブチン」には、メラニン色素の生成を抑制する効果が期待できます。

アンチエイジングをうたったスキンケア用品には、美白に役立つ有効成分が配合されているため、自分の肌に合うアイテムを使用するとよいでしょう。

増えたほくろを消すには(※当院では取り扱っておりません)

ホクロが増える理由

ほくろができる原因には遺伝などの、予防法だけでは対処しきれない要因が関係しています。ほくろの形状・深さ・サイズに合わせて、医師と相談しながら治療方針を決定します。

できてしまったほくろを消すために、以下のような治療法があります。

  • 炭酸ガスレーザーの照射
  • ラジオ波メス(サージトロン)で切除
  • くり抜き法(トレパン)で除去
  • メスでの切除
  • 巾着縫合

それぞれ、取り上げます。

なお、治療の詳細については、クリニックごとに異なる可能性があるため、各クリニックにお問い合わせください。

炭酸ガスレーザーの照射

炭酸ガスレーザーをほくろに照射し、熱エネルギーによって色素細胞を「蒸散」させる、ほくろの除去法です。

レーザーの熱によって細胞を蒸散させるとともに、ほくろの周りの毛細血管を凝固させるため、ほどんど出血のリスクがないのが特徴です。

直径1mm以下の、小さなほくろの除去に向いています。しかし、皮膚の深層にある色素細胞を取り除くことは、難しい場合があります。

ラジオ波メス(サージトロン)で切除

ラジオ波メスは、サージトロンという医療機器を使用して、ほくろを切除します。通常のメスより、ラジオ波メスは鋭い切れ味を持つため、切除後の傷の回復が早いのがメリットです。また、炭酸ガスレーザーと比較して、熱エネルギーによる皮膚へのダメージを抑えられます。

サージトロンは、ほくろの切除・止血が同時に行えるため、傷跡が残りにくいのが特徴です。3~4mm程度の、顔のほくろの切除に向いています。

くり抜き法(トレパン)で除去

くり抜き法は、パンチのような「トレパン」という機械を使って、ほくろをくり抜く方法です。表面だけでなく、深い位置にあるほくろの細胞までくり抜けます。

トレパンによる穴は小さく、縫合の必要はありません。他のほくろ切除法に比べて、傷口が小さいのが特徴です。1~6mmほどの大きさのほくろであれば、切除可能です。

メスでの切除

メスで皮膚を切開し、ほくろを取り除いて、皮膚を縫い合わせる方法です。

炭酸ガスレーザー・ラジオ波メス・くり抜き法などでは除去が難しい、大きなサイズのほくろの切除に選択されます。

巾着縫合

メスでほくろを切除した後に、巾着袋を閉じるように傷口を縫って糸を絞る点が特徴です。一般的な縫合と比べて、傷口が小さくなるため、回復が早いというメリットがあります。

顔にある、5mm以上のほくろの切除に向いています。

ほくろ切除後の注意点

ほくろの切除後には、それぞれ注意点があります。施術を受ける前に、それぞれ一般的な施術後の処置について確認しておきましょう。

「炭酸ガスレーザー」によるほくろの施術後は、施術部位に保護テープを貼って過ごす必要があります。治療の経過にもよりますが、保護テープは1~2週間ほど、貼りっぱなしです。

「ラジオ波メス」の場合も、施術後に保護テープを貼ります。施術当日もテープ上から、メイク・洗顔が可能です。傷口が治るまでは、保護テープが剥がれたら、塗り薬を塗ってテープで保護します。傷口が回復するまでの期間は、およそ2週間程度です。

「くり抜き法」の施術後のケアは、ほくろの大きさによって変わります。ほくろが小さければ縫合の必要はなく、塗り薬と保護テープで傷口が回復するのを待ちます。

「メスによる切除」「巾着縫合」のあとは、感染に注意が必要です。抜糸までは、傷を避けて洗顔・メイクを行います。術後の経過が順調であれば、施術から1週間程度で、抜糸できます。傷口は3〜6か月ほどで、目立たなくなります。

ほくろについてよくある質問

ホクロが増える理由

ここでは、ほくろについて当院に寄せられる、よくある3つの質問にお答えします。

  • 脱毛でほくろは増えますか?
  • 赤いほくろは悪性ですか?
  • ほくろに似たシミはありますか?

順にお答えします。

脱毛でほくろは増えますか?

いいえ。

脱毛でほくろが増えることは、ありません。当院の脱毛について詳しくは、医療レーザー脱毛のページをご覧ください。

赤いほくろは悪性ですか?

赤いほくろは、悪性化する可能性があります。「スピッツ母斑」と呼ばれ、悪性化しやすい皮膚疾患です。

赤いほくろが悪性かどうかの見分け方について、詳しくは「シミが赤く盛り上がる場合は要注意?早めの受診と治療がおすすめ」をご覧ください。

ほくろに似たシミはありますか?

はい。

「脂漏性角化症」という、いわゆる老人性イボが、ほくろの見た目と似ています。皮膚の褐色の変化が、シミかほくろかを見分ける方法については「シミとほくろの違いは?見分ける方法や治療法をわかりやすく解説」の記事をご参照ください。

ほくろが気になる場合は皮膚科を受診しよう

ここまで、ほくろが増える理由・原因について解説しました。ほくろの原因を、日常生活である程度は予防できますが、防ぎきれないものもあります。

ほくろのサイズ・色・形状・硬さが変化した場合は、皮膚科の受診をおすすめします。早期発見・早期治療で、健康な肌を保ちましょう。

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