2024年9月2日
ボトックスビスタ(アラガン社製)とボツラックス(ヒューゲル社製)の違いは?成分・効果などを比較
ボトックス注射を受ける際、「ボトックスビスタ(アラガン社製)」や「ボツラックス(ヒューゲル社製)」などの種類があることを知り、効果や持続期間などに違いはあるのか気になる方は多いでしょう。製剤によって効果の持続期間や費用などが異なるケースが多いため、事前に確認しておくことが大切です。
本記事では、ボトックスビスタ(アラガン社製)とボツラックス(ヒューゲル社製)の成分や効果、持続期間などについて比較解説します。
目次
ボトックスビスタとボツラックスの違い
ボトックスビスタとボツラックスは、先発医薬品(新薬)と後発医薬品(ジェネリック医薬品)の関係にあります。ボトックスビスタが先発医薬品で、ボツラックスが後発医薬品です。先発医薬品とは、治療や症状の改善を目的に最初に開発され、医薬品として正式に承認された薬のことです。
開発した製薬会社には、その薬を独占的に製造・販売する権利が与えられます。これを「特許権」といい、20~25年の期間中に他のメーカーが同じ薬を作ることはできません。
一方、特許期間が終了すると、他の製薬会社もその薬と同じ有効成分を使った医薬品を製造・販売できるようになります。このような薬を後発医薬品(ジェネリック医薬品)と呼びます。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ成分を持ちながら、通常は価格が抑えられていることが特徴です。
ボトックスビスタとボツラックスの違いは下記の通りです。
ボトックスビスタ | ボツラックス | |
製造元 | アラガン社(アメリカ) | ヒューゲル社(韓国) |
承認 | FDA(アメリカ食品医薬品局) | 韓国MFDS(食品医薬品安全庁) |
成分 | ボツリヌストキシンA | ボツリヌストキシンA |
効果 | シワの改善、筋肉の緊張緩和など | シワの改善、筋肉の緊張緩和など |
安全性 | 高い | 高い |
持続期間 | 3~4か月程度 | 2~3か月程度 |
費用 | 比較的高い | 比較的安い |
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
製造元
ボトックスビスタはアメリカのアラガン社が製造しており、FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を受けています。FDAの承認を得るためには臨床試験で品質や安全性を証明する必要があります。
一方、ボツラックスは韓国のヒューゲル社が製造しており、韓国MFDS(食品医薬品安全庁)の承認を受けています。韓国MFDSも品質管理が厳しい機関ですが、規制や基準がFDAとは異なります。
いずれの製剤も厳しい基準をクリアしていることから、安全性は高いと言えるでしょう。
成分
ボトックスビスタとボツラックスは、どちらも有効成分としてボツリヌストキシンAを使用しています。成分濃度も同一です。製造環境によって品質に差が生じる可能性はありますが、効果に影響を与えるほどのものではありません。
効果
ボトックスビスタとボツラックスは成分が同一のため、効果の高さも同じです。どちらもシワの改善に効果が期待できます。
副作用
成分と効果が同じ場合、副作用も同じです。ボトックスビスタとボツラックスの副作用は、注射部位の痛み、腫れ、赤み、軽度の頭痛などです。
まれに、眼瞼下垂が起こることがありますが、いずれも一時的なもので、通常は数週間以内に改善します。
持続期間
ボトックスビスタの効果の持続期間は3〜4か月程度とされています。一方、ボツラックスは2〜3か月程度と、ボトックスビスタよりも短い傾向があります。ただし、いずれも注射部位によって異なるため、カウンセリングの際に確認することが大切です。
ボトックス注射の効果の持続期間について、詳細は関連記事も参考にしてください。
費用
ボトックスビスタは先発医薬品のため、通常はボツラックスよりも高価です。これは、製造コストや臨床試験にかかる費用、ブランド価値に基づくものです。ボツラックスは同一の成分を使用することから臨床試験にかかる費用を抑えられるうえに、ブランド価値を高めるために料金を高く設定する必要もありません。
なお、いずれも自費診療であることからクリニックによって費用が異なります。例えば、クリニックAのボツラックスよりもクリニックBのボトックスビスタの方が安い可能性もあります。
施術の流れ
ボトックスビスタとボツラックスの施術の流れは、どちらも同じです。施術前に医師がカウンセリングを行い、使用する製剤や施術箇所などを決定します。副作用や施術後の注意点なども説明されるため、予期せぬトラブルを防ぐためにも不明点がある場合は遠慮なく質問し、疑問を解消しましょう。
施術時間は5~20分程度と短いため、忙しい方も受けやすい治療です。
ボトックス注射の製剤の選び方
ボトックス注射は、自身に適した製剤を選択することが大切です。ボトックス注射の製剤の選び方について、詳しく見ていきましょう。
製造元に対する印象
ボトックス製剤は、製造元に対する印象で選ぶこともひとつの方法です。例えば、アメリカのアラガン社が製造する「ボトックスビスタ」は、FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を受け、世界中で広く使用されています。長年にわたる臨床試験と実績により、安心して使用できるでしょう。
これに対し、韓国のヒューゲル社が製造する「ボツラックス」は、韓国MFDS(食品医薬品安全庁)の承認を受けており、コストパフォーマンスに優れた選択肢として人気です。実績は少ないものの、ボトックスビスタと同一の成分であることから、安全性には問題ありません。
また、ボツラックスが認証を受けている韓国MFDSに関して、2012年に認証基準が引き上げられたことから、効果や安全性について厳しく審査されていることがわかります。
製造元に大きな違いがないため判断が難しいかもしれませんが、後悔しないためにも自身が持つ印象を踏まえて、使用する製剤を選ぶことが大切です。
費用
ボトックスの費用は、製剤の種類やクリニックによって大きく異なります。一般的に、先発医薬品であるボトックスビスタは価格が高めに設定されていますが、長期的な効果と安全性を考慮すると、コストパフォーマンスが良いともいえます。一方、ボツラックスは後発医薬品であるため、同じ部位への施術であっても費用を抑えられることが多く、複数の部位に施術を希望する方に向いています。
効果の持続期間
ボトックスの効果は製剤によって異なります。ボトックスビスタは一般的に3〜4か月の効果が期待できますが、ボツラックスは2〜3か月とやや短めです。数か月先のイベントに向けてボトックス注射を検討する際は、持続性が高いボトックスビスタを選ぶとよいでしょう。
また、継続的に施術を受ける場合も、持続期間が長いボトックスビスタの方がトータルコストを抑えられる可能性があります。
医師に任せることもひとつの方法
ボトックスの施術では、製剤の選択に迷った場合、医師に任せるのもひとつの方法です。特に、どの部位にボトックスを注射すればよいのか、効果を最大限に引き出すためにはどの製剤が適しているのかなどは判断が難しいでしょう。医師による専門知識と経験に基づいたアドバイスを受けることで、より自分に合った製剤を選択できるようになります。
梅田すずらんクリニックでは、ご来院者さま一人ひとりのニーズに合わせた「おまかせボトックス」を提供しています。ドクターが顔全体を見た上で、最も効果的な部位や量を選定し、施術を行います。自分でどの部位に施術するか迷っている方も、お気軽にご相談ください。
梅田すずらんクリニックはボトックス注射も行っております
梅田すずらんクリニックのボトックス注射では、ボトックスビスタ(アラガン社製)とボツラックス(ヒューゲル社製)の両方を使用しており、ご来院者さま一人ひとりに合わせた施術プランをご提案しております。どちらの製剤を選ぶか迷っている方、そもそもどこに施術すべきかわからない方も、豊富な専門知識と経験を持つドクターがご提案いたします。
ボトックス注射は、身体への負担を抑えつつシワの悩みを改善できる施術です。治療効果を十分に引き出し、納得できる結果を得るためにも、まずはお気軽にご相談ください。