2024年1月3日

ほうれい線をボトックス注射で改善できるか?おすすめの治療法は?

ほうれい線 ボトックス

最近、かわいい初孫が生まれ、娘や孫と写真を撮る機会が増えた。娘から送られてくる写真を見ていると、思わず笑みがこぼれる。

でも一方で、娘や孫のハリのある肌を見ていると、一緒に写っている自分の表情に隠しきれない老いを感じるのも事実…。このほうれい線、なんとかならないものかしら?

顔のパーツの中でも年齢を感じさせるのが、ほうれい線ですよね。ほうれい線をどうにかしたいというのは、年齢を重ねる女性すべての願いかもしれません。

「シワ治療にボトックスがいい」と、耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?

この記事では、実際のところボトックスにほうれい線の改善は期待できるのか、ほうれい線におすすめの治療法にはどんなものがあるかをご紹介します。ほうれい線とボトックスについての理解を深めて、若々しさを保つのに役立ててくださいね。

ほうれい線にボトックス注射は効果を発揮するか?

ほうれい線 ボトックス

結論からお伝えすると、ほうれい線にボトックス注射の効果はあまり期待できません。特に、無表情のときにも残存するほうれい線に対する効果は、全く期待できないのです。

無表情のときのほうれい線にボトックスが効かない理由は、ボトックスが作用する仕組みと、ほうれい線ができるプロセスが大きく関係しています。

笑顔のとき時に深くなるほうれい線に対しては、多少の効果が期待できます。笑うと強く表情筋が働くタイプに「ガミースマイル」があります。ガミースマイルについて、詳しくは関連記事をご覧くだ下さい。

まずは、ボトックス注射が作用する仕組みについて考えます。

ボトックス注射が作用する仕組み

ボトックス注射とは、ボツリヌス菌の産生するタンパク質の毒素(ボツリヌストキシン)を、分解・精製して作られた薬剤を注入する注射です。

ボツリヌストキシンには、末梢神経が筋肉に対して分泌する、神経伝達物質のアセチルコリンを抑制する作用があります。

通常、脳から「筋肉を収縮させろ!」という指令が中枢神経を通って、末梢神経に伝えられ、末梢神経の終末にある神経と筋肉の接合部を介して、筋肉に収縮が起こります。

ボトックス注射を打つと、神経筋接合部の末梢神経側からアセチルコリンが分泌されなくなり、筋肉に情報が伝わらなくなるのです。アセチルコリンの分泌抑制作用を利用して、筋肉の収縮力を弱めることがボトックス注射の目的です。

ボトックス注射で期待できる効果

ほうれい線 ボトックス

ボトックス注射で効果が期待できるのは、主に筋肉の収縮に伴ってできるシワの改善です。

具体的には、以下のような例です。

  • 眉間のシワ
  • 目尻のシワ
  • おでこのシワ
  • エラの張り
  • 顎のうめぼしジワ

また、アセチルコリンの分泌を抑制する作用を利用して、ガミースマイル・肩の張りの軽減・多汗症・ワキガに対する治療にも活用されています。

ほうれい線と表情シワは異なる

ほうれい線は、正確には「鼻唇溝(びしんこう)」と呼ばれます。つまり、溝であって、シワではありません。加齢によって溝は深くなる傾向がありますが、筋肉のボリューム・骨格によっては、子供や若者でも表れるのがほうれい線の特徴です。

他方、表情ジワは顔面筋が収縮することによって、皮膚にできるシワを指します。過剰に収縮してシワを作る筋肉にボトックス注射を打つと、筋肉の収縮が抑えられ、シワの改善に効果が期待できます。

ボトックスがほうれい線の改善に効果を期待できないのは、ほうれい線が表情ジワではないからです。ボトックスは、筋肉の収縮によって生じるシワの改善に効果を発揮します。

ほうれい線ができるプロセス

ほうれい線は20代前半に、鼻翼(小鼻)の横に生じるわずかなくぼみから始まります。30代にかけてくぼみは次第に下方へ延び、鼻翼と口角の中間点を越えると、ほうれい線として認識できます。

40代はほうれい線がさらに伸長して口角あたりに達し、深い溝の形になるのです。50代では口角よりさらに下方へと溝が伸長し、顔の印象に大きな影響を与えます。

皮下の構造を簡単に示したのが、以下の表です。

表皮角質層
顆粒層
有棘層
基底層
真皮乳頭層
網状層
皮下組織皮下脂肪
筋層筋肉

年齢を重ねると、紫外線によるダメージやその他の要因によって、皮膚も老化します。特に真皮ではコラーゲン・エラスチン線維の著しい減少が生じます。真皮の変化は皮膚の弾力性を低下させ、顔の形状が支えきれなくなり、たるみとなるのです。

表皮と真皮を安定させているのは表皮の基底膜ですが、真皮と皮下組織を安定させている構造も存在します。真皮の下部から皮下組織に向かって伸びる、突起状の「アンカー構造」です。アンカー構造には、コラーゲンやエラスチン線維が多く含まれています。

アンカー構造は真皮を皮下組織に保持し、弾力性を作り出す働きによって、皮膚のたるみを抑え、顔の形状を維持しているのです。ところが、年齢を重ねると真皮と皮下組織をつなぐ、アンカー構造の数が減少します。

さらにアンカー構造を構成する、コラーゲンやエラスチン線維の質が低下するのも問題です。アンカー構造の量と質の低下により、頬の皮膚は皮下脂肪とともにたるみ、ほうれい線の溝になります。

加えて、表情筋は皮膚に付着していますが、筋活動の低下は、皮膚の保持力の低下を招きます。

皮膚・皮下組織・筋肉の機能が老化によって変化し、あるべき位置に顔の組織を保持できなくなるのは明白です。

これが、ほうれい線ができるプロセスです。

ほうれい線に対するボトックスのリスク

ほうれい線 ボトックス

ほうれい線ができるプロセスで理解できたように、ほうれい線は表情筋が原因でできるシワとは異なります。

ほうれい線をめがけてボトックス注射を打つと、顔の下半分の筋肉の収縮が抑制され、不自然な笑顔になる可能性があります。口周りの筋肉の動きが制限されると、口角が上がらなくなるからです。ともすれば、たるみが酷くなる可能性も否定できません。

たるみが原因で生じたほうれい線には、ボトックス注射以外の治療法を検討しましょう。

ほうれい線の軽減におすすめの治療法は?

ほうれい線の軽減に、おすすめの治療をいくつか紹介します。

  • ヒアルロン酸注射
  • ハイフ
  • ポテンツァ

ヒアルロン酸注射

まず1つ目は「ヒアルロン酸注射」です。ヒアルロン酸は皮膚においては、真皮に多く存在する成分です。ほうれい線の溝にヒアルロン酸を注射すると、皮下にボリュームが出て溝が浅くなり、目立たなくなります。

ヒアルロン酸注射は即効性があり、アレルギー反応などの副作用も起こりにくい施術のため、人気です。しかし、ヒアルロン酸は注入後、時間の経過とともに、徐々に分解・吸収されるため、効果を維持するためには継続的に施術を受ける必要があります。

ハイフ

ほうれい線の軽減に、おすすめの治療法の2つ目は「ハイフ」です。ハイフは超音波を照射し、皮下に熱エネルギーを加える治療法です。表情筋の表面にはSMAS(スマス)筋膜と呼ばれる、筋肉をつなぎ合わせ全体を覆っている筋膜が存在します。

ハイフはこのSMAS筋膜に熱を加え、収縮させる作用でリフトアップ効果やたるみの引き締めが期待できます。

ポテンツァ

ほうれい線の、根本原因にアプローチしたい方には「ポテンツァ」がおすすめです。

ポテンツァのダイヤモンドチップは、針を刺さずに1ショットで2種類の高周波を照射します。ダイヤモンドチップの高周波のエネルギーは、真皮層のコラーゲンにアプローチするのが特徴です。

高周波によって生じた熱エネルギーに対する創傷治癒効果で、真皮の線維芽細胞を活性化し、コラーゲン・エラスチン線維・ヒアルロン酸の生成を促進します。肌の弾力が回復し、頬のたるみが軽減する効果を期待できます。

ほうれい線のご相談は梅田すずらんクリニックへ

見た目年齢に大きく関係する、ほうれい線は老化を感じさせる悩みの種ですよね。

残念ながら、たるみが原因のほうれい線には、ボトックス注射はあまり効果が期待できません。

でも、ほうれい線の進行を緩やかにするアプローチはあります。ほうれい線でお悩みの方は、ぜひ梅田すずらんクリニックにご相談ください。

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