ガミースマイルにボトックス注射は有効か？よくある疑問を徹底解説

最近多い、同期の友達の結婚式。写真や動画が出席者全員に共有されるようになって、自分の笑顔がなおさら気になり始めた…。

なぜか笑ったら、上の歯茎まで見えちゃう。もっと上品に、他の同僚みたいなステキな笑顔になれたら、思いっきり笑えるのに…。整形手術をするにはお金がかかるし、悩みどころ。

笑うと、上の歯茎が見えてしまう表情を「ガミースマイル」といいます。ガミースマイルになる原因は、実はいくつかあることを、ご存知でしょうか？高額な外科手術をしなくても、ガミースマイルを改善できる可能性があります。

ガミースマイルに対するボトックス注射は、手頃な価格で、ガミースマイルにアプローチする手段として、好評です。外科手術をする前のシミュレーションとしても、おすすめの方法です。

この記事ではガミースマイルの状態や原因、ガミースマイルへのボトックス注射の有効性について紹介します。ガミースマイルに対して、ボトックス注射をした場合のダウンタイム・効果持続期間・注意点・メリット・デメリットまで、よくある疑問を幅広く取り上げます。

なお、梅田すずらんクリニックではガミースマイルへのボトックス注射は行っておりません。その他の症状に対しては施術ができますので、大阪でボトックス注射をご希望されているかたは、ぜひご相談ください。

ガミースマイルとは？

ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が見える状態のことです。「Gum（歯茎）」と「Smile（笑顔）」をあわせた表現に由来しています。

• 笑うと上唇が引き上げられる
• 笑った際に歯茎が3mm以上見える
• 歯の位置が前方あるいは下方に突出している

上記の項目が当てはまると、ガミースマイルに該当します。

ガミースマイルの原因は、以下の通りです。

• 筋肉の働き
• 骨格
• 前歯・歯茎の形状

ひとつの原因のせいでガミースマイルが起こっているケースもあれば、複数の原因によって生じるガミースマイルもあります。自分の状態を見極めるのは難しいので、歯科で原因を特定してもらうのも良い方法です。

筋肉の働きによるガミースマイル

上唇は主に「上唇挙筋（じょうしんきょきん）」によって、上方に引き上げられます。上唇挙筋は、目の下の内側の上顎骨（じょうがくこつ）から上唇の皮膚に付く筋肉です。

また上唇挙筋とともに「上唇鼻翼挙筋（じょうしんびよくきょきん）」も、上唇を引き上げる働きがあります。上唇鼻翼挙筋は、上顎骨（じょうがくこつ）から上唇の皮膚と鼻翼に付く筋肉です。

上唇挙筋と上唇鼻翼挙筋の収縮力が強いと、上唇が大きく上方に引き上げられ、歯茎まで見えるガミースマイルになります。

骨格が原因のガミースマイル

上あごの骨を上顎骨といいます。上顎骨が前方に出ていると、上唇が骨格に対して短くなり、ガミースマイルの原因になります。

また上顎骨が上下に長い場合も、骨格に対して上唇が短い状態になり、歯茎が見えやすくなります。

「過蓋咬合（かがいこうごう）」という、上下の歯のかみ合わせが深い場合も、ガミースマイルの原因のひとつです。前歯が下の歯に深く被さり、歯茎が露出しやすくなるからです。

前歯・歯茎の形状によるガミースマイル

前歯の前方突出、いわゆる「出っ歯」もガミースマイルの原因となります。歯が前に出ていると、上唇が上がりやすくなるからです。

また上の前歯を支えている歯茎が大きいケースも、相対的に上唇が短くなり、歯茎が見えやすくなります。

このようにさまざまな原因によって、ガミースマイルが起こります。

ガミースマイルにボトックス注射は有効？

「ガミースマイルをボトックス注射で治療している」という、話を聞くことがあるかもしれません。

そもそもボトックス注射にはどのような作用があるのでしょうか？またボトックス注射が有効なタイプのガミースマイルはどれかを解説します。

ボトックス注射の作用

ボトックスとは、米国のアラガン社の「ボトックスビスタ」という薬剤名のことです。この薬剤名が「ボトックス」「ボトックス治療」「ボトックス注射」などの代名詞として用いられるようになりました。

ボトックスは、ボツリヌス菌が産生するタンパク質の「A型ボツリヌス毒素（ボツリヌストキシン）」を利用した薬剤です。ボツリヌス菌の毒素は分解・精製されているため、全身に毒素がまわることはありません。

ボトックスを筋肉に注射すると、ボツリヌストキシンが運動神経と筋肉の接合部に作用します。

通常、脳からの「筋肉を動かせ」という指令は中枢神経から末梢神経に伝達され、神経と筋肉の接合部を介して筋肉に伝わり、筋肉が収縮します。神経筋接合部で、情報伝達の役割を担っているのが、アセチルコリンです。

ボツリヌストキシンは末梢神経の末端から、アセチルコリンが分泌されるのを抑制します。この作用により、筋肉に脳からの指令は伝達されず、筋肉の収縮が生じなくなります。特に過剰に収縮する筋肉にボトックスを注入することで、症状を緩和する効果が期待できます。

ボトックス注射が有効なタイプのガミースマイル

ボトックス注射は筋肉の収縮を抑えることで、症状の改善が期待できる施術です。つまり、筋肉の働きが原因で生じるガミースマイルに効果を発揮します。

逆に、骨格・前歯・歯茎の形状が原因のガミースマイルに対しては、効果は限定的です。ボトックス注射以外の治療法を検討するのも、手段のひとつといえます。

ガミースマイルの改善を目的として、ボトックス注射を実施する場合、ガミースマイルの原因である上唇挙筋と上唇尾翼挙筋に薬剤を注入します。上唇を引き上げる筋肉の収縮が抑制され、笑った時に唇が上方に引き上げられることはなくなり、歯茎は露出しません。

ガミースマイルは放置していると、口呼吸になりやすいという問題点があります。上唇・歯・口腔内が乾燥しやすくなり、口臭や歯周病のリスクが上昇するのも悩みです。

もし自分のガミースマイルが、筋肉が原因で生じるタイプの場合は、ボトックス注射を試す価値があります。

ガミースマイルのボトックス治療の流れ

一般的なガミースマイルの、ボトックス注射による治療は以下のような流れです。

①「カウンセリング（診察）」

カウンセリングと、診察を兼ねているクリニックもあります。医師の診察の際には、ガミースマイルの原因が、ボトックス注射の適応になるか判断します。不安な点や疑問点は、この時に遠慮なく確認しましょう。

②「施術」

メイクをしている場合、注入部のメイクを落として消毒します。感染を防ぐためです。

ボトックス注射を打ち、注入直後に異常がないことが確認できれば、施術は終了です。

施術後は、すぐにメイクが可能です。大掛かりな施術にならないところが、ガミースマイルに対するボトックス注射の魅力です。

ガミースマイルの治療効果が現れるのはいつ？

ガミースマイルに対するボトックス注射の効果が現れるのは、施術後3～7日経ってからです。

ボトックス注射は、神経筋接合部からのアセチルコリンの分泌が抑制されて、効果が発揮されるため即効性はありません。

ガミースマイルのボトックス注射の効果持続期間

個人差がありますが、ガミースマイルのボトックス注射の効果の持続期間は、4～6か月です。

注入されたボトックス注射の成分は、6か月ほどで排出され、筋肉が収縮し元に戻ります。ガミースマイルに対するボトックス注射の効果を持続させたい場合は、3〜4か月おきに継続して施術を受けると良いでしょう。

ガミースマイルに対するボトックス注射のダウンタイム

ガミースマイルに対するボトックス注射のダウンタイムは、ほとんどありません。注射の刺入部からわずかに出血することがありますが、血はすぐ止まり施術直後からメイクが可能です。

施術後に内出血・腫れが生じることがありますが、1週間程度で回復します。

ガミースマイルをボトックス注射で治療した後の注意点

ボトックス注射を受けた当日は、内出血・腫れの増悪のリスクをなるべく避けるため、飲酒・激しい運動・サウナなどは避けます。洗顔やシャワーは、通常通りで構いません。

注入した薬剤が、他の部位に広がるのを避けるため、注射した箇所をこすったり、マッサージしたりしないように注意が必要です。

加えて重要な点として、ボトックス注射の施術後は、男性は少なくとも3か月、女性は施術後2回の月経が終わるまでは、避妊する必要があります。妊娠を計画している場合は、その期間を避けてボトックス注射を受けましょう。

ガミースマイルのボトックス注射以外の治療法

筋肉の働きが原因で生じるガミースマイルには、ボトックス注射が適応になります。

筋肉以外の原因で生じているガミースマイルに対して、どのような治療法があるのか紹介します。

骨格が原因のガミースマイルは外科手術

上顎骨が前方に突出しているケースや、上顎骨が上下に長いためにガミースマイルが起こっている場合は、口腔外科で上顎骨の長さを調整する「骨切り術」の適応です。

上顎骨の骨切り術は、全身麻酔を必要とする大掛かりな外科手術です。

過蓋咬合が原因のガミースマイルは、歯の矯正で改善するケースが多いため、歯科治療が適しています。

前歯の形状によるガミースマイルは歯科治療

前歯の突出によるガミースマイルには「歯の矯正」が向いています。近年、歯の矯正は歯の前面をワイヤーで固定しなくても、目立たない方法で矯正する方法も選択可能になりました。

歯並びが良くなると、見た目の印象もぐっと変化するので、この機会に検討しても良いかもしれません。

「歯肉切除」という方法もあります。レーザーなどで歯茎をトリミングして、前歯が縦長に見えるようにする治療法です。治療時間は5分程度で、術後の痛み・腫れも外科手術よりは少ないですが、術後数か月で後戻りしやすいという特徴があります。

ガミースマイルで、上唇が上がりすぎる場合には「上唇粘膜切除術」がおすすめです。

上唇の内側の粘膜を切除すると、唇が上がる長さは短くなり、歯茎の露出を抑えられます。手術は局所麻酔の時間を含め60分ほどで終了し、縫合は唇の内側だけのため、傷口が目立ちません。ボトックスよりも、施術効果が長いというメリットがあります。

しかし上唇粘膜切除術は、上唇挙筋が発達すると後戻りするというデメリットもあります。上唇粘膜切除術を受ける際には、手術内容・術後の経過・メリット・デメリットをきちんと説明してくれる歯科・クリニックを選びましょう。

上唇粘膜切除術と似た方法に「粘膜切除術」があります。前歯を支えている歯茎が大きい場合は、粘膜切除術が効果的です。上唇の内側の上方の粘膜と、歯茎の上方の粘膜を切除し、縫合する手術法です。手術時間は30分程度で、局所麻酔で実施します。

上唇が腫れますが、内側のためあまり目立ちません。切開による腫れのピークは3日ほどで、およそ1週間でおさまります。内出血の回復は、2週間程度です。内出血の量が多いと、上唇の表側に広がる可能性があります。

上唇と歯茎の上方を縫い合わせるため、笑った時に歯茎だけでなく、前歯が見えなくなる可能性もあります。術後のイメージについて、十分説明を受けた上で施術を受けることが大切です。

前歯の形状に問題がある場合に「歯冠長延長術」という選択肢もあります。前歯を縦に長く見せ、露出する歯茎の面積を小さくする方法です。セラミックの被せ物も併用すれば、前歯の色・位置・形も整います。

ガミースマイルの治療には、ボトックス注射以外にもいろいろな方法があります。自分のガミースマイルの原因を的確に診断し、最適な治療法を提案してくれる歯科・クリニックを選びましょう。

ボトックスでガミースマイルを治療するメリット

ガミースマイルの治療で、ボトックス注射を選択することには、さまざまなメリットがあります。

1つ目のメリットは「施術時の痛みが少ない」ことです。ボトックス注射の針は極細針を使用しているため、耐えられない痛みではありません。

2つ目のメリットは、メスをいれることがないので「ダウンタイムがほとんどない」という点です。日常生活に支障をきたす施術となると、気軽に受けるわけにはいきません。しかしボトックス注射であれば、内出血・腫れ・痛み程度で、数日で症状がおさまります。

3つ目のメリットは「治療時間が短い」ことです。ガミースマイルのボトックス治療の施術は、5〜10分程度で終わります。予約を取っておけば、スケジュールに組み込みやすいので、継続的な施術も負担になりにくいのが特徴です。

4つ目のメリットは「費用が比較的安価」という点です。ガミースマイルのボトックス注射以外の治療法を紹介しましたが、特にメスを入れる外科的治療は費用が高くなります。保険のきかない自費治療では、全額自己負担になるため、治療費がリーズナブルだと助かります。

5つ目のメリットは「仕上がりが自然」な点です。筋肉の過剰な収縮が原因のガミースマイルは、ボトックス注射の作用により筋肉の活動を抑えることで自然な表情を得られます。

外科手術で失敗すると再手術が難しいケースもありますが、ボトックスは仕上がりに満足が行かなくても、薬の効果が切れれば元に戻るため、前回の結果を踏まえて注入位置や注入量の調整が可能というメリットがあります。

6つ目のメリットは「手術を受ける前のシミュレーションになる」点です。術後の自分の表情の具体的なイメージが湧かないまま、手術を受けるのは不安が拭いきれません。

しかし、ボトックス注射でガミースマイルを治療した自分の顔を実際に見れば、手術後の表情をイメージしやすくなります。手術前にボトックス注射に、お試しでトライする方は少なくありません。手術を検討されている場合の、シミュレーションにおすすめです。

ボトックスでガミースマイルを治療するデメリット

ガミースマイルに対するボトックス注射の、デメリットも紹介します。

1つ目のデメリットは「継続的な施術が必要」な点です。ボトックス注射の薬剤は、注入後約6か月で排出されます。薬の効果がなくなれば、筋肉は元どおり収縮するので、ガミースマイルも、再度出現します。効果を維持するには、3～4か月ごとに注射の必要があります。

2つ目のデメリットは「妊娠を希望している場合は施術できない」点です。ボトックスは厚生労働省によって認可を受けた薬剤ですが、胎児への影響が認められています。妊娠を希望する場合は、ボトックス注射を避けてください。

ボトックス注射を受けた後、男性は精子の形成期間と重ならないよう、少なくとも3ヶ月は避妊します。女性はボトックス注射の施術後、2回の月経が終わるまでは避妊が必要です。

3つ目のデメリットは「左右非対称になる可能性がある」点です。人の顔は厳密には左右対称ではないため、筋肉の発達具合も左右対称とは限りません。ボトックス注射を左右対称に同量ずつ注入しても、左右非対称になる可能性は否定できません。

4つ目のデメリットは「効果に個人差がある」点です。一般的にボトックス注射の効果は2～3日ほどで表れ、およそ1週間で筋肉の状態が安定します。しかし効果が表れにくい場合は、5日ほど期間が必要なケースもあります。

イベントに合わせてガミースマイルの治療を検討している場合は、余裕を持って施術を受けることをおすすめします。

ガミースマイルに対するボトックス注射が受けられないケース

ボトックス注射によるガミースマイルの治療は、以下のようなケースで施術を受けられない可能性があります。

• 妊娠の可能性がある・妊娠中・授乳中の場合
• ボトックスに過敏症がある場合
• 部位を問わずボトックス治療をして3か月以内の場合
• 別の治療でボツリヌストキシンを使用している場合
• 神経筋接合部疾患（例：重症筋無力症・筋萎縮性側索硬化症・ランバート・イートン症候群など）がある場合
• 筋弛緩剤を内服中の場合
• 慢性呼吸器障害がある場合
• 筋力低下・筋萎縮が重篤な場合
• 閉塞隅角（ぐうかく）緑内障・その傾向のある場合
• 小児

上記以外のケースでも、医師の判断により施術を控える場合があります。

ガミースマイルのボトックス注射についてよくある質問

ここからは、ガミースマイルのボトックス注射について、当院によく寄せられる質問にお答えします。

ボトックス注射に痛みはありますか？

ボトックス注射の注射針は超極細のため、耐えられないほどの痛みではありません。

薬剤が注入されるため、皮下に痛みを感じるケースもありますが、数時間で消失する場合がほとんどです。

ボトックス注射の失敗で口元が不自然になりませんか？

ボトックスの注入量を調整しながら注射することで、口元が不自然になるリスクを抑えています。

梅田すずらんクリニックでは、初めてボトックス注射を受けられる方には少なめに注入し、状態に応じて後日追加注入する、無料タッチアップを行っています。

ボトックス注射には毒性がありますか？

ボトックスはボツリヌストキシンという、ボツリヌス菌が作り出す、タンパク質の毒素を主成分とする薬剤です。ボトックスは眉間・目尻のシワに対する治療薬として、厚生労働省の承認を得ています。

体内に注入する量は、危険量の1/1,000程度のため、健康に大きな影響を及ぼす毒性はありません。

外科手術を受ける前にボトックス注射を受けられますか？

はい。手術前にボトックス注射を試してみたいと、施術を受けられる方が多く来院されます。

手術後の表情のシミュレーションとして、ぜひご利用ください。

ボトックス注射のために口が開きにくくなりませんか？

ガミースマイルの治療に対するボトックス注射では、小鼻周辺に左右数か所ずつ注入します。対象となるのは唇を引き上げる上唇挙筋と上唇鼻翼挙筋です。口を開ける筋肉は、顎の下からのどに向かう位置に存在するため、開口障害は生じません。

しかし、上唇が施術前と違って動きが少なくなるため、唇の動きにくさを感じることがあります。1～2週間ほどで、違和感は緩和されます。

子供のガミースマイルにボトックス注射はできますか？

子供のガミースマイルに対するボトックス注射は、実施していません。

ガミースマイルの原因によっては、低年齢の場合、歯列矯正で改善が期待できる可能性があります。歯科の受診を、おすすめします。

ボトックス注射なら梅田すずらんクリニックにご相談ください

同僚や友人の結婚式の写真には、上品な笑顔を残したいものですよね。ガミースマイルは、チャームポイントにもなれば、コンプレックスにもなり得る悩ましい存在です。

梅田すずらんクリニックでは、ガミースマイルへの施術は行っておりませんが、その他さまざまな部位へのボトックス注射を受けていただけます。

当院では、厚生労働省がシワ治療に対する安全性を承認した「ボトックスビスタ」を採用しています。大阪でボトックス注射が受けられるクリニックをお探しなら、ぜひ梅田すずらんクリニックにご相談ください。