2024年1月3日
ボトックス注射を打ち続けると良くない?ベストな施術頻度を紹介
子育てに手がかかる時期も過ぎ、自分の時間も持てるようになったこの頃。ふと鏡を見ると、今まではあまり目に入らなかった、顔のシワが気になる…。
「シワにはボトックスよ」って友達は言っていたけれど、実際どうなのかしら?
表情ジワの手軽なアプローチとして、ボトックス注射の人気が高まっています。でも、ボトックス注射を打ち続けるのは、どうなのかしらと不安に感じることもありますよね。
この記事では「ボトックス注射を打ち続けると良くない」という、ウワサの真相に迫ります。また、そもそもボトックス注射とはどのような治療法なのか、効果・効果の持続時間・ベストな施術頻度について解説します。
ボトックス注射のメリット・デメリット・副作用についても、しっかりお伝えしますので、ボトックス注射について疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ボトックス注射を打ち続けると良くない?
ボトックス注射を打ち続けると、良くないのか?
結論は、ボトックス注射を打ち続けても、大きな問題はありません。
ボトックス注射はまぶたの痙攣(けいれん)や、脳卒中の後遺症による筋肉の緊張の緩和など、これまで医療の現場で長期間に渡って選ばれてきた治療法です。美容医療の世界でも現在のところ、長期使用による問題の報告はありません。
しかし、ボトックス注射を一度に大量に注入したり、短期間に施術を繰り返したりするのは要注意です。体内でボトックスに対する抗体ができ、耐性によってボトックス注射の効果が弱くなる場合があるからです。
ボトックス注射を打ち続けても、基本的に問題はありません。しかし、注射の頻度と注入量は、医師と相談し、施術を適切に受ける必要があります。
ボトックス注射とは?
ボトックス注射とは、過剰な筋肉の動きを抑制する効果が期待できる美容施術です。代表的な薬剤は米国アラガン社の「ボトックスビスタ®️」で、この薬剤が数あるボツリヌストキシン製剤の中で広く普及したため、ボツリヌストキシン製剤を注入する施術を「ボトックス注射」と総称するようになりました。
ボトックス注射はボツリヌス菌から取られる、天然成分のタンパク質である「A型ボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)」を利用します。医療用のボトックスでは毒素を分解し、精製しているためボツリヌス菌の毒素が全身にまわることはなく、局所的に狙いを定めてアプローチが可能です。
通常、筋肉が収縮して顔の表情を変化させたり、手足の動きが生じたりします。これは脳からの指令が中枢神経を通って、末梢神経を介し、筋肉へと情報が伝達されるからです。
ボツリヌストキシンは、末梢神経の神経伝達物質である、アセチルコリンの放出を抑制する作用があります。つまり、末梢神経から筋肉への情報伝達が抑えられ、筋肉が収縮しにくくなるのです。
またボツリヌストキシンは、末梢神経から汗腺・皮脂腺への情報伝達を抑制する作用もあわせ持ちます。
アセチルコリンがボツリヌストキシンの作用により抑制されると、筋肉の過剰な収縮・汗や皮脂の分泌量のコントロールが可能になります。
ボトックス注射に期待できる効果
ボトックス注射によって、さまざまな効果が期待できます。
- 表情ジワを軽減
- エラの張りをスッキリさせる
- ガミースマイルを軽減する
- 肩の筋肉の張りをなだらかにする
- 多汗症・ワキガの治療
それぞれ説明します。
表情ジワを軽減
人間は動物とは異なり、表情で感情を豊かに表現する能力があります。人間の赤ちゃんは自分に笑いかけたり、驚いてみせたりする大人のさまざまな表情を観察して、それを真似して表情の作り方を学習します。
例えば、笑顔ひとつとっても、口角を上げて笑顔を作る人、目を細めて微笑む人、目の間や眉をクシャっと寄せて笑う人など、さまざまです。表情の作り方、つまり表情筋の使い方は人それぞれであるため、表情ジワにも個人差が生まれます。
若いうちはビッグスマイルを作っても、真顔になれば表情ジワは消えていたものです。しかし、加齢とともに表情ジワは無表情のときにも残る、固定ジワになります。
また加齢や紫外線のダメージにより皮膚がたるみ、無意識のうちに若いときより強く筋肉を収縮させて表情を作ることも、表情ジワの原因のひとつです。
顔の表情筋の過剰な収縮を、ボトックス注射で緩和することで、表情ジワの軽減が期待できます。
エラの張りをスッキリさせる
エラの張りの原因のひとつは、歯を噛みしめる癖・歯ぎしりなどにより、咬筋(こうきん)という筋肉が発達することです。
ボトックス注射を咬筋に注入すると、筋肉の収縮が抑制され、筋肉のボリュームダウンにつながります。エラの張りがスッキリするだけでなく、噛みしめ・食いしばり・歯ぎしりの改善も期待できます。
エラが張る別の理由は、骨格の形状によるものですが、骨格が原因のエラの張りは、ボトックス注射での改善は期待できません。
ガミースマイルを軽減する
ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が見えてしまう状態のことです。見える歯茎の面積が人より広いことが、コンプレックスになる場合があります。また歯の表面が乾きやすく、上唇が下がりにくくなるのも悩みです。
ガミースマイルの原因はいくつかありますが、上唇挙筋(じょうしんきょきん)という筋肉の過剰な収縮が原因の場合、ボトックス注射で改善を期待できます。
肩の筋肉の張りをなだらかにする
スマートフォンを長時間眺める習慣がある、あるいはパソコンを使う機会の多い方は、後頭部から肩につながる僧帽筋(そうぼうきん)が発達し、後ろから見た首筋が、張った印象になる場合があります。
ボトックス注射を僧帽筋の肩のラインに打つと、僧帽筋が緩み首から肩の形がなだらかになります。ストレートネックなどで肩こり・痛みが生じていたケースでは、症状が軽減する可能性もあります。
僧帽筋の過剰な収縮をボトックスで調整した場合は、首にかかる頭の重さのバランスが変わるため、姿勢を良くするように心がけると首への負担を軽減できます。
多汗症・ワキガの治療
多汗症の汗はエクリン汗腺(かんせん)、ワキガの原因となる汗はアポクリン汗腺から出ます。発汗と同時に皮脂が分泌され、皮脂が酸化すると汗臭さの原因となります。
汗を分泌するよう汗腺に促すのは、アセチルコリンです。ワキにボトックス注射を打つと、脳からの指令が伝達されず、末梢神経から汗腺に対して汗の分泌を促す情報が届きません。
汗腺からの汗の分泌が抑制されることで、多汗症の汗の量を減少させ、ニオイのある汗が分泌されにくくなります。
(当院では、肩とワキへのボトックス注射は実施していません)
ボトックス注射の効果が現れやすい部位
ボトックス注射は筋肉を弛緩させることで、皮膚のシワへと働きかける治療法です。とりわけ、以下の部位に対して効果が表れやすい傾向があります。
部位 | 筋肉の名前 | 筋肉の作用 | できるシワ |
おでこ | 前頭筋(ぜんとうきん) | 眉を上方に引き上げる | おでこの横ジワ |
目尻 | 眼輪筋(がんりんきん) | 目を閉じる | 目尻のシワ |
眉間 | 皺眉筋(すうびきん) | 眉頭を中心に寄せる | 眉間の縦ジワ |
鼻 | 鼻根筋(びこんきん) | 眉間の皮膚を下げる | 眉間の横ジワ |
顎 | オトガイ筋 | 顎の皮膚を隆起する | 顎のうめぼしジワ |
エラ | 咬筋 | 噛む | なし |
上記のように筋肉の収縮を抑制する作用により、シワを表出させない効果が期待できます。また、エラに対するボトックス注射は、噛みしめや歯ぎしりの軽減、筋肉の弛緩により小顔効果につながります。
ボトックス注射の効果が出るタイミングと持続期間
ボトックス注射の直後、すぐに筋肉の弛緩作用が表れるわけではありません。施術の2~3日後から、徐々に効果が出始めます。施術後1~2週間で、筋肉の状態が安定します。
ボトックス注射の効果の持続期間には個人差がありますが、大体3~6か月です。ボトックスの効果が薄れて、筋肉の収縮力が回復しても、すぐにシワが形成されるわけではありません。
繰り返し施術を受けることで、効果の持続期間が少しずつ長くなるケースもあるため、医師の指導のもと、適切な頻度で治療を継続するのが理想的です。
ボトックス注射を打つベストな施術頻度
一般的なボトックス注射の施術頻度は、3~4か月ほどです。ボトックスの効果が表れやすい場合もあれば、効果の持続期間が一般的な期間より短い場合もあります。自分にとって適切な施術頻度は、主治医と相談して決めるのが良いでしょう。
筋肉に注入された薬剤は、約6か月で排出されます。また、末梢神経の伝達が阻害されていても、神経の再生力によって3か月ほどで新たな神経終末(神経線維の末端)が作られ、アセチルコリンが分泌されるのも考慮すべき点です。
ボトックスの効果を維持しつつ、抗体が産生されるのを避けるには、同一部位への注入を3か月以上空けるのが適切です。
ボトックス注射による副作用・リスク
ボトックス注射によって、以下のような症状やリスクが予想されます。
- 内出血・痛みのリスク
- アレルギーを起こすリスク
ここで取り上げた症状以外に、気になる副作用が出現した場合は、医師に相談しましょう。
内出血・痛みのリスク
ボトックス注射の針は超極細針ですが、部位によっては痛みを感じます。また薬液を注入するため、皮下で内圧が上がり痛みを感じるかもしれません。
ボトックス注射の施術後、2~3日の期間は注射した部位に内出血・痛み・腫れなどの副作用の症状が出る可能性があります。特に目尻・口周りの皮膚は薄く、内出血が起こりやすい部位です。
内出血した場合は、マッサージなど患部を圧迫・刺激する行為は避けます。また激しい運動・長時間の入浴・サウナ・飲酒といった、血流を促進する活動も控えると良いでしょう。内出血は、1週間程度で回復します。
副作用は時間の経過とともに快方に向かいますが、気になる症状がある場合や長引く場合は、施術を受けたクリニックに相談することをおすすめします。
アレルギーを起こすリスク
ボトックスは薬剤です。そのため赤み・むくみ・腫れ・かゆみなどの、アレルギー症状が出るリスクがあります。
もし何らかの薬でアレルギー反応を起こした既往歴がある場合や、食品・ワクチンなどアレルギー体質の場合は、施術前の診察時に医師に伝えることが大切です。施術後にアレルギー反応が出たら、遠慮せず施術したクリニックを受診しましょう。
ボトックス注射を打てないケース
以下のようなケースは、ボトックス注射を打てないことがあります。
- 妊娠の可能性がある・妊娠中・授乳中
- ボトックスに過敏症がある
- 部位を問わずボトックス治療をして3か月以内の場合
- 別の治療でボツリヌストキシンを使用している
- 神経筋接合部疾患(例:重症筋無力症・筋萎縮性側索硬化症・ランバート・イートン症候群など)がある
- 筋弛緩剤を内服中
- 慢性呼吸器障害がある
- 筋力低下・筋萎縮が重篤な場合
- 閉塞隅角(ぐうかく)緑内障。その傾向のある場合
上記に加え、ボトックス注射の施術後は、男性は最低3か月、女性は施術後2回の月経が来るまで、避妊が必要です。
自分がボトックス注射の適応となるか確認したい場合は、クリニックに相談すると確実です。
ボトックス注射を打つのをやめたら老ける?
体内に注入されたボトックスの薬剤は、約6か月で排出されます。筋肉が再び収縮するようになり、元の状態に戻ります。しかし、ボトックス注射をやめたからといって、施術を始める以前より、シワが増えるようなことはありません。
皮下の筋肉が収縮するようになると、再びシワが出現し、確かに老けたように感じるかもしれません。
ボトックス注射を継続的に受けていて、シワのない顔に見慣れてしまうと、久しぶりのシワに違和感を感じるのも当然です。しかし、筋肉の活動が正常化されただけで、急速に老化が進んだわけではありませんので、心配はいりません。
ボトックス注射を打つメリット
ボトックス注射を打つメリットには、以下のような点があります。
- 比較的価格が手頃で効果もわかりやすい
- 効果の持続期間が長くコスパが良い
- 施術時間が短い
- ダウンタイムが短い
ボトックス注射は施術時間が短く、クリニックの予約さえ取れれば、気が向いたタイミングで治療を受けられます。施術の2~3日後には効果が表れ始め、1週間ほどで安定した後は、およそ3か月効果が持続するのも特徴です。
ダウンタイムが短く、内出血したとしてもメイクでカバーできるため、バレにくい美容アプローチといえます。
ボトックス注射を打つデメリット
ボトックス注射を打つ際のデメリットは、以下のとおりです。
- 注射の痛みがある
- 注射後のイメージが想像していたものと違う
- 効果を維持するため施術を重ねる必要がある
薬剤を注入する際に注射器を使用しますが、ボトックス注入用の針は細く、痛みは限局的です。場合によっては、ボトックスを注入した際に、しみるような痛みを感じるケースもあります。
ボトックスの効果の出やすさには、個人差があるため、想像以上に筋肉の動きが低下し、不自然な表情に感じる可能性があります。また薬剤の量に左右差があると、表情にも左右差が生じる可能性は否定できません。
注入した薬剤がターゲットの筋肉以外に広がると、想定外の筋肉の活動が低下します。施術後は患部を揉んだり、こすったりしないように注意が必要です。
ボトックス注射についてよくある質問
ここではボトックス注射に関して当院に寄せられる、よくある質問と答えを紹介します。
ボトックス注射で顔が不自然になりますか?
注入した薬剤の量が多すぎたり、適切な部位に注入できていなかったりすると、顔の表情が不自然になることがあります。
ボトックス注射の前のカウンセリングや診察で、自分のイメージが実現可能か、十分意図を伝えるようにしましょう。
少し時間はかかりますが、3か月経ってボトックスの効果が切れてくると、不自然な表情は元に戻ります。
ボトックス注射はどんなシワも消せますか?
ボトックス注射が治療を得意とするのは、表情ジワです。筋肉の動きによって形成されるシワを、筋活動を低下させる作用によりシワが表出しにくくさせます。
逆に、ボトックス注射で治療効果が期待できないのは、顔の筋肉が収縮していない、無表情のときに存在するシワです。
紫外線ダメージ・乾燥などによって生じた小じわ・ちりめんジワ・ほうれい線などの治療には、ボトックス注射はあまり効果を発揮しません。
おでこにボトックスを打つと目が小さくなる?
眼瞼下垂(がんけんかすい)がある場合、おでこにボトックスを打つと目が開けにくくなり、目が小さくなったように感じることがあります。
ボトックスはおでこの横ジワの改善に効果的なアプローチですが、眼瞼下垂のある場合は当てはまりません。施術前の診察で、医師により眼瞼下垂が隠れていないか見極めてもらうようにしましょう。
ボトックス注射のダウンタイムはどのぐらい?
ボトックス注射には、ダウンタイムがほとんどありません。個人差はありますが、内出血や痛みを生じる場合があります。
施術直後から、メイク・洗顔が可能です。ボトックスは熱に弱い傾向があるため、施術当日は湯船に浸からずシャワーをおすすめします。また、施術当日の飲酒も避けます。日常生活で、特に注意する点はありません。
ボトックス注射なら梅田すずらんクリニックへ
「ボトックス注射を打ち続けると良くない」
そのウワサは、すべてが事実ではありません。
確かに、ボトックス注射を短期間に何度も繰り返したり、大量に注入すると抗体が産生されて、薬剤の効果が薄くなります。しかし、十分な期間を空けて、医師の指導のもとに施術を受ければ、何年も継続が可能なアプローチです。
梅田すずらんクリニックでは、ご来院者様おひとりおひとりに合わせたボトックスの注入量を見極めるため、初回は注入量を控えめにし、無料のタッチアップを提供しています。詳しくは当院のボトックス注射のページをご覧ください。